トルコ航空機によるテヘラン在留邦人救出を顕彰し感謝する献花式の報告に寄せて

日本安全保障・危機管理学会
理事長 二見 亘

「トルコ航空機によるテヘラン在留邦人救出」から40周年の2025年3月19日に、これを顕彰しトルコに感謝する献花式が行われたことは、意義深いことであり、日本人の感謝の気持をトルコの皆様にお伝えすることができたとすれば、まことに幸いであると存じます。

2006年に小泉純一郎総理が自らトルコに赴き、この救出に携わった11名のトルコの方々の叙勲(旭日小綬章)を伝達されたことも、日本側の感謝を伝えるうえで本当に素晴らしいことでした。なぜならば、救出のあった1985年における、日本からトルコに対する謝意の表明は、日本の外相からトルコの外相に対する、たった一本の電報で済ませてしまっていたからです。これは、はなはだ不十分であり、決して日本国民の気持はそんなものではなかったと思います。

こうしたなかで、本年、この献花式が行われたことは誠に喜ばしいことだったと考えます。日本人にとって「40年」は、「キリの良い数字」ではないかもしれませんが、トルコでは「一杯のコーヒーにも40年の思い出」という諺があるように、「40」は特別な数字だからです。

さて、この救出劇については、我々が忘れてならない日本人がいます。森永堯氏です。この救出劇を実現した立役者が、当時、伊藤忠のトルコ拠点のトップを務めておられた故森永堯氏であったことは、日本・トルコ協会の資料や、トルコと深いご縁のある和歌山県の知事を長年にわたって務めた仁坂吉伸氏の論考に詳しく述べられています。

実は、この森永氏を顕彰し、日本人に広く知って頂くために、朗読劇「トルコからの翼 ~ テヘラン邦人救出の真実~」(脚本 さらだたまこ、主演 水澤心吾)が、2023年8月26日に初演された際、私が理事長を務める日本安全保障・危機管理学会は、その後援団体としてご支援申し上げました。

我々は、トルコに感謝すべきであるとともに、森永氏の努力と功績を忘れてはならないことは、仁坂氏も度々強調されている通りです。森永氏とオザル首相(当時)の間の深い、深い信頼と絆なくしては、1985年にテヘランに取り残された日本人数百人の救出は実現しなかったでしょう。お二人の友情が、今後も両国民の心にとどまることを祈念いたします。

当学会の永世名誉会長である安倍晋三先生は、友好国トルコを何度か訪問し、救出に携わったトルコ航空総裁やクルーの皆様ともとお会いしています。安倍先生も、まちがいなく今回の献花式を喜んでいらっしゃると思います。